根っからの文系人間が、SE職についていたこと

わたしは以前、
9年間ほどシステムエンジニアとして働いていました。

中高のころから数学が苦手で、
大学受験も最終的に数学が受験科目にない大学を選択したほどです。

しかし、そんな人間が大学卒業後に就職したのは
ソフトウェア業界のIT技術職でした。

身につけたいスキルがあったので、
働けたことは貴重な経験でした。
そして、文系出身といえども、
入社後に一定期間の研修があったので、
最初はわかりにくくても徐々に必要な知識をつけていけます。

入社してから気づいたことは、
男女比は偏っているということでした。
圧倒的に男性が多く、
退職するまでずっと10人チームに女性は1人か2人という構成でした。
おそらく現在(2024)も、男女比についてはその傾向が強いんじゃないでしょうか。

また、理系の学部出身や、
高校までは理系だったという同期が多く、
文系で女子という人間は、
当時の同期入社のうち約4%という少数派でした。
9年間、新しいことをたくさん経験させてもらいました。

志望動機

受験でも数学を避けたくらいなのに、
なぜシステムエンジニア職を選んだのかは、
プログラミングを学べるというメリットがあったからです。

自分の中で、一度海外へ行ってみたいという明白な気持ちがあったので、
どこへ行っても通用するスキルを身につけたいと思っていました。

また、ものづくりが好きだったので、
プログラミング言語で仕組みを作るということに興味がありました。

面接では、海外への憧れについては話しませんでしたが、
何かを作りたいという自分の思いと、
それを通して人の役に立ちたいという思いを伝えようと言葉を尽くしました。

もし、同じようにプログラミングを学んでみたいと思う方がいれば、
プログラミング未経験でも、研修・教育をほどこしてくれる企業もあるので、
面接やES提出前に調べてみるとよいと思います。

大学の専攻

自分の専攻は、人間科学系の学部で、文理共通のリベラルアーツ的な内容でした。
しかし、自分自身は文系受験で、興味も人文系に傾いていたので、
大学で理数系の科目を取ろうとすることもなく、当時は90%文系人間でした。

ただ、他学科である情報(プログラミング)の授業も自由に取れる学部だったので、
研究室では、先輩や同級生が隣でコードを書いているという環境でした。
黒背景のスクリーンに、ずらずらとプログラミング言語が記述されていました。
思い返せば、これもきっかけとなってIT業界に興味がわいた気がします。

なので、個人的には出身学部は問題にならないと考えますが、
知らないことは、情報学部出身の人よりは確実に多いです。

同期や先輩の出身学部を見ても、情報系は確かに多かったですが、
経済学部や文学部の方もいらっしゃいました。
会社側に教育制度があれば、あとはその人次第だと思います。

必要な資格

あるに越したことはないと思いますが、
自分は学生時代は特になにも取得しませんでした。

入社後は、簿記・IT系資格が推奨され、
会社が受験費用を提供してくれる制度もありました。
必要になる資格は、会社によって異なるかもしれません。

自分の興味がある会社が売っているシステムや商品を調べて、
どんな知識が必要なのか知ると、
おのずと必要な資格や知識も見えてくると思います。

ネット検索やOB訪問などを活用して、
どのような力が求められているのか、
情報を集められるといいですね。

もし資格を持っていなかったとしても、
その仕事に必要な知識を積極的に勉強していることを面接でアピールしたほうがいいと思います。

システムエンジニア職の女性としてプラスとマイナス

これは自分自身の感想なので、
同じ女性でも状況は違ってくると思います。

男性8割ほどの環境で、自分が女性で困ったことといえば、
単純に夜遅くまでの残業についていく体力と、生理に関する体調不良でした。

逆にいいこともあります。
女性が少ない環境なので、貴重な人材として重宝されたり、
遅い時間だと気遣ってくださる方も多かったです。
困った時は助けてくれますし、体力がある男性陣は本当に頼もしく思えます。
女性の顧客で女性担当者を希望される方にも、お役に立つことができます。

そうやって、少ないからとって孤立してしまうことはなく、
長所を活用しながら、気持ちよく働くことができていました。

しかし、自分自身のやりすぎる性格もあり、
夜遅くまでパソコンの光を浴びて覚醒状態にあったのか、
9年間あまり深く眠れたことがありませんでした。

そこから自律神経の不調へつながり、
免疫が弱っていったのか病気になりやすく、
生理前の不調であるPMSも年々つらくなってきていました。

ちょうどやりたいことができるリミットもせまってきたので、
自分で区切りをつけることにしました。
当時はまさに「その時が来た」という感じでした。

自分の体の反応について、身をもって経験して学べた9年間でしたね。
女性が少ない環境といえども、
1人の人間として、楽しくやりがいを持って仕事ができた貴重な経験です。

ちなみに、女性の産休・育休制度もだんだんと整ってきていました。
私が入社したころの環境は、出産後に戻ってくる前例がほとんど無く、
妊娠してしばらくしたら退職という世界でした。

制度や部署ができてからは、
産休明けで戻ってくる女性が格段に増え、
これからはシステムエンジニア職でも、
どんどん働き続ける女性が増えていくと思います。

余談ですが、よく同僚女子ランチで話していたこと。言葉にして伝えること。

入社して3年ほど経ったころ、
仲の良い女性の同僚とランチをしていたときでした。

研修も終わり、現場へ働き出してもう2年半ほど経っていたころ、
少しうつむきながら彼女はこういっていました。

「察しては、くれないよね…」

よくよく聞くと、
その時3人でチームを組んでいて、彼女が紅一点だったようなのですが、
仕事を進める上で、
他の男性メンバー2人がなかなか彼女の意向に気づいてくれないということでした。

たしかにわたしも男性はそんな傾向はあるのかなと感じていました。
言葉にするまではちょっとでも気づくことはなさそうだなという感じでした。(いいこともわるいことも)
みんな知らんぷりしているわけではなく、
なにかの壁で分けられているように、本当に通じないものなんだとフラットな気持ちで感じていました。

ただ男性が全員そうというわけではなく、
当時の自分自身の体感では、
およそ8割の男性は「言わなくても察する」なんてことはないんだと感じました。

それに女性もまた同じことがいえます。
「女性は気づく・気遣いができる」とは世間では言われていますが、
みんながみんな「気づく・察することができる」というわけではないんじゃないかと…。
男女で傾向的な特徴はあるけど、人それぞれという感じではないでしょうか。

個人的には、その性質も慣れれば楽でした。
自分の仕事を増やさなくてすみますし、
頼まれていないことを自己判断でやっても、
それは相手の求めてないことだったという可能性もあります。

これはやったほうがいい!と自分の中で思っても、
言葉にして相手と話してから進めたほうが安心です。
お互いの頭の中を共有できていると、仕事が進めやすいです。

また、自分が密かに落ち込んでいてそっとしておいてほしいときは
周りの男性はあまり気づかないので楽でした。
心配されると余計に落ち込むというか…
自分の性格には合っていたんだと思います。

なので、相手に頼みたいことや自分の要望や気持ちは、
言葉にして伝えることが大切なのだなと学びました。
それまではあまり自分の意見や気持ちを他人に伝えることが億劫だと感じていたのですが。

自分の頭の中を表明しておけば、
遅かれ早かれ、周りもそれを受け取って協力してくれると思います。
言葉にして初めて、周りもその人の気持ちを知ることができます。

なにも言わずとも気づいてくれたり、
先回りしてくれる人は尊いし、それが必要な場面はあります。
ただ、誰もが察しのいい人間ばかりではないと、
仕事を通じて身をもって理解しました。
自分が働きやすい環境を作るためにも、
状況を見ながら、言葉にして伝えていきたいものです。

まとめ

わたしの経験が、文系でIT技術職を目指すみなさまに少しでも参考なったら幸いです。

また、自分が女性でその環境では少数派だったということで、
女性としての感覚の話を多めに語りました。

最後にお伝えしたいのは、女性男性関係なく、
システムエンジニア職に必要な基本知識についてです。
それは、大きく二つに分けて、IT知識と業務知識です。

IT知識というのは、
プログラミングやネットワーク、PCの知識などです。
(かなりざっくりですが、他にも細かな知識があります…!)
会社の研修と、現場での体験で少しずつ身につきます。

業務知識というのは、
お客さまがどのような業務を行っているのかについてです。
例えば、自分の顧客が経理部だった場合、
経理業務とは具体的に何を行うのか?をしっかり把握する必要があります。

最初はがっつり勉強して知識を吸収しながら、
同時に経験を積んでいくことになると思います。
システムは突然止まったりエラーになったりと緊急対応もあり、
忙しくないといえば嘘になる労働環境ですが、
やりがいや達成感、チームプレーで充実した日々を送ることができます。
間違いなく自分を成長させられる経験になると思います。

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